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自治体の事業者向け制度1,128件のうち、対象の業種を限定しているのは145件(13%)でした。業種別の件数と中身を数え、自分の業種に合う制度の探し方と、読むときの注意点をまとめます。
この記事のポイント
- 業種を限定した制度は1128件中145件(13%)で残る983件は業種を問わない記載
- 飲食87件・小売80件・美容41件の限定制度は空き店舗系が7〜9割を占める
- 製造業63件は販路開拓20件・研究開発18件・設備14件と中身が分かれる
はじめに
結論から言うと、自治体の事業者向け制度の大半(87%)は、業種を限定していません。業種を絞っているのは一部で、その中身も「飲食・小売・美容は出店支援」「製造業は販路・開発・設備」と、はっきり偏っています。自分の業種の名前で探すだけでは見落としが出るので、まず「業種を問わない制度」を見て、そのうえで業種限定の制度を足す順番がおすすめです。
この記事は、当サイトが掲載している自治体の事業者向け制度1,128件(2026年10月30日時点、data/analysis-latest.json の local.allIndustries・local.industries と、元データの業種の記載)を、業種の面から数え直したものです。全国の制度の全数ではなく、当サイトの掲載分の集計です。業種の区分は、当サイトが制度の対象の記載を読んで付けたもので、公式の分類ではありません。
業種を限定する制度は145件(13%)
1,128件のうち、業種を問わないものが983件(87%)、特定の業種に絞っているものが145件(13%)です。145件のうち、1つの業種だけを対象にしているのは41件で、残る104件は「小売・飲食・美容」のように複数の業種をまとめて対象にしています。業種限定の制度がある都道府県は39で、件数が多いのは埼玉県と兵庫県(各10件)、北海道・東京都・大阪府(各9件)、長野県(8件)です。
業種ごとの件数は、複数の業種を対象にする制度を、それぞれの業種に数えると次のとおりです(合計は145件を超えます)。
| 業種 | 件数 | うち県の制度 | 制度がある都道府県の数 |
|---|---|---|---|
| 飲食 | 87 | 3 | 34 |
| 小売 | 80 | 4 | 34 |
| 製造 | 63 | 8 | 31 |
| 美容 | 41 | 0 | 22 |
| IT | 16 | 2 | 11 |
| クリエイティブ | 12 | 0 | 8 |
| 農業 | 8 | 0 | 7 |
| 建設 | 6 | 0 | 5 |
| 介護 | 4 | 0 | 3 |
| 物流 | 3 | 0 | 3 |
専門サービス業・教育・観光は、各1〜2件にとどまります。表のとおり、飲食・小売・製造の3つで大半を占め、農業・建設・介護・物流は、制度のある都道府県が3〜7しかありません。これらの業種は、自治体の業種限定の制度だけでは足りないため、業種を問わない制度や、国の公募もあわせて確認します。
飲食・小売・美容は、7〜9割が空き店舗・商店街の制度
業種ごとに、制度の目的(当サイトの分類)を数えると、偏りがよく分かります。
| 業種 | 件数 | 空き店舗・商店街 | 販路開拓・PR | 研究開発・新事業 | 設備投資・省エネ |
|---|---|---|---|---|---|
| 飲食 | 87 | 61(70%) | 13 | 7 | 3 |
| 小売 | 80 | 65(81%) | 10 | 1 | 2 |
| 美容 | 41 | 36(88%) | 2 | 0 | 2 |
| 製造 | 63 | 1 | 20 | 18 | 14 |
| IT | 16 | 1 | 2 | 8 | 1 |
読み方のポイントは2つです。
1つ目は、飲食・小売・美容の「限定制度」の多くが、空き店舗や商店街への出店を支える制度だということです。業種限定の145件のうち、空き店舗・商店街の目的は66件(46%)で、そのほとんどが、この3業種を対象にしています。つまり、すでに店を構えている飲食店や美容室が「設備を入れ替えたい」と考えたとき、業種限定の制度の中には、該当するものが少ないのです。その場合は、業種を問わない設備投資・販路開拓の制度(業種を問わない制度を含む事業者向けの集計)にも当たる必要があります。
2つ目は、製造業は目的が分かれていることです。販路開拓20件・研究開発18件・設備14件と、3つの目的にほぼ均等に散らばっています。県の制度も8件あり、飲食・小売より県の制度の割合が高い(63件中8件)のが特徴です。秋田県のものづくり経営戦略強化支援事業、山形県のものづくりスタートアップ支援事業費補助金、福井県のふくいの逸品創造ファンド事業、福岡県の省エネ新製品開発支援補助金など、県が実施する制度は、市区町村より対象の範囲が広くなりがちです。
金額の例:製造業の開発支援は上限100〜500万円
業種限定の制度のうち、製造業向けの開発支援の金額の記載は、たとえば次のようなものがあります(いずれも当サイトの掲載データの記載で、年度や枠によって変わります。申請前に公式ページで確認してください)。
- 仙台市中小企業新製品等開発支援補助金:上限200万円、補助率2/3
- 新潟市 食の商品開発補助金:上限100万円、補助率2/3
- 浜松市新事業挑戦事業費補助金:上限100万円、補助率1/2
- 広島市 新規ビジネス事業化支援事業:上限300万円、補助率1/2
- 函館市特産品開発支援事業補助金:上限500万円、補助率2/3
同じ「開発支援」でも、上限は100万円から500万円まで開きがあり、補助率も1/2と2/3があります。業種が合うかだけでなく、金額と補助率、対象経費の範囲を比べて選ぶことが大切です。
自分の業種で探すときの手順
- まず補助金を探すページで、地域だけを指定して、業種を問わない制度を一通り見る(全体の87%が、ここに入ります)。
- 次に、業種のキーワード(例:飲食、製造、美容)を足して、業種限定の制度を探す。制度の件数は、地域によって0〜10件程度と差が大きいので、見つからなくても不思議ではありません。
- 自分の市区町村に制度がないときは、都道府県の制度と、隣の市区町村の制度も見る(自治体別の制度の一覧から、近い地域に移れます)。ただし、対象の事業所の所在地などの条件があるため、隣の市の制度は、原則として使えません。
- 気になる制度が見つかったら、公式ページで、対象の業種・対象者の条件・受付期間・対象経費を、必ず確認する。
業種が複数にまたがる事業(製造と小売を両方する、など)は、どの業種で申請できるかが制度ごとに違います。条件の読み方は対象者・要件の基本にまとめています。迷うときは補助金の判定で、条件に合う制度を絞り込めます。
注意点:集計から言えないこと
- 「業種を問わない」983件は、当サイトが読み取った範囲で業種の限定が見つからなかったものです。公式の要領には、対象外の業種や、中小企業者などの条件が別に書かれていることがあります。業種を問わないことは、誰でも使えることを意味しません。
- 業種の区分は当サイトの分類です。たとえば「飲食」と書かれた制度に、食品製造が含まれる場合もあります。
- 件数が多い業種が、使いやすい業種だとは限りません。空き店舗系の制度は、出店する場所や、新規出店・開業予定といった条件があります。
- この記事は参考情報で、受給や採択を保証するものではありません。最新の内容は、各制度の公式ページで確認してください。
次に読むとよいページ
- 都道府県別に見た事業者向け制度1,127件:業種の次に、自分の地域の制度がどれだけあるかを、県と市区町村に分けて確認できます。
- 市区町村の独自制度が「載っていない」目的を集計:目的の面から見た空白です。この記事の業種の偏りと重ねて読むと、探す範囲を決めやすくなります。
- 自治体の事業者向け制度1,128件を集計(金額と段階):金額の中央値や開業段階別の件数を見て、自分の状況に近い制度を絞れます。
最終更新日:2026年10月31日






